auの「アップグレードプログラムDX」ですが、他社のユーザーも購入できるにも関わらずSIMロックの端末という状態に対して、総務省が「SIMロック解除しなさい」と怒られたというニュースがありました。
そして、auは一定の条件を満たせば即SIMロック解除を受け入れたとの事です。
個人的には、あまり意味のないような気がします。
アップグレードプログラムDXとは何か解説します
そもそも「アップグレードプログラムDX」ってなに?という人にも理解できるように解説していきます。
アップグレードプログラムの仕組み
- 端末代を分割で支払う
- 端末を返却し、機種変更が可能となる
- 最大半額の端末代が免除される
つまり、端末を分割払いで契約し、端末代を半分支払えば端末を返却する事を前提に最大半額端末代が免除されるというものです。
アップグレードプログラムDXとは
- 端末を48回払いで契約
- 24回の支払いが済んだら端末を返却
- auで機種変更を行う
- 最大半額の端末代が免除
「アップグレードプログラムDX」の特徴は、auユーザー以外でも端末を購入する事ができるというものです。これは総務省の法改正によって「回線の契約を条件に端末を安く売ってはならない」というものに合わせた形となっています。
auから端末だけを購入できるという形にすることで、実質半額で端末を購入する事ができるという売り方をしている訳です。
問題点:SIMロックで実質他社ユーザーは使用不可
auから販売される端末には、SIMロックがかかった状態となっています。
例えば、アップグレードプログラムDXを使ってiPhoneを購入したとして、そのiPhoneにドコモやソフトバンクのSIMカードを入れてすぐに使用することはできません。
つまり、他社ユーザーも購入できる形にはなっていますが、実質au回線ユーザーを対象とした売り方をしている訳です。上手く抜け穴を突いた形となりましたが、そこに総務省が待ったをかけました。
SIMロック即時解除を受け入れたようです【思うこと】
KDDI(au)は携帯端末の販売を巡り、総務省が通信大手への義務付けを検討している「SIMロック」の即時解除に応じる方針を固めた。携帯販売を巡って20日に開かれる総務省の有識者会議で表明する。端末購入者による頭金の支払いなど一定の条件を満たす場合にロックを即時解除できるようにする。
一定の条件をクリアする事ですぐにSIMロック解除が可能
ここでは「端末購入者による頭金の支払いなど」と書かれていますが、基本的にはそういった形になるはずです。
SIMロックは、ある程度端末購入者の支払いが滞らないように逃げられないようにする為のものでもあると思うので一定の額のお金を先に支払うという形になると思います。
そもそもこれを利用する人は、SIMロック解除を望んでいるだろうか
別に選択肢が増えただけなので別に良いのですが、個人的には「アップグレードプログラムDX」を利用して他社回線を使いたいという人は多いのか気になるところです。
アップグレードプログラムDXは、毎月390円のオプション代が発生します。これを24回支払うので、オプション代だけで9,360円です。
そして、次の機種変更をするときもauから購入する必要があります。
わざわざ他社の回線を使いたいユーザーがアップグレードプログラムDXを通してまで購入するメリットがあまりないような気がするのですがどうでしょう。
最新機種を追いかけたい格安SIMユーザーには、メリットがあるかも
格安SIMの会社が最新の端末を扱うことはほぼないので、格安SIMユーザーは最新の端末を入手するには自分で購入してくる必要がありました。
ただ、格安SIMユーザーの中には「最新機種の購入方法が分からない。Apple Storeに行くのは面倒。ネットで購入?お店で買いたい分割が良い」といった層もいるはずです。
そういった層にとっては、auが実質SIMフリー端末を販売し分割にも対応してくれるというのはメリットかもしれません。
残念ポイントもあります
au回線の契約があるユーザーは、auオンラインショップから「アップグレードプログラムDX」を申し込んで端末を契約できますが、au回線を契約していない人は直接auショップに行く必要があります。
実質他社ユーザーは、端末を契約しにauショップへ行くことになるのでauショップは家電量販店的な立ち位置になりますね。
他社ユーザーで回線とかSIMロックの知識とかある人がわざわざ時間のかかるショップに行くかと考えると・・・うーんという感じです。逆に知識がない人は、SIMロックのままその購入先の会社の回線を使うのでは?と思うのですがどうでしょう。